を婚約者に!?」


父から呼び出され、俺は議長室へと向かった。


そこで父から聞かされた事はたくさんあり過ぎて・・・

その中でも一番驚いたのが、ラクスの反逆行為・・・

との婚約の話だった・・・。



ラクスとの婚約が破談になったからと言って、
次は・・・?


どうなってるんだ・・・この状況は・・・。









戦場の歌姫


 ACT.8 溶けた心の行く先に・・・








「その・・・彼女は何と答えたんですか・・・?」



純粋に気になったのがの返事だった。


にはイザークが居る。


それは十分分かっていたけれど、
彼女は何と言って断ったのだろう・・・?




「少し時間をくれと言われた。
 互いの気持ちは関係無いとは言ったんだがな・・・。」



「断らなかったんですか・・・?」


「・・・?断られる様な事でもしたのか?」


「・・・あ、いえ・・・。」




意外な返事にアスランは戸惑いが隠せなかった。


「とにかく、お前はフリーダムの奪還もしくは破壊。
 この命令に従って任務を遂行しろ。
 彼女の事は私の方で話を進めておく。いいな?」



「・・・了解・・・しました・・・。」









の気持ちが分からない・・・。


イザークが居る筈なのに・・・何故、断らないんだ?


戸惑いながらもアスランはエレカを走らせる。



向かった先は・・・クライン邸。




かつて、美しい花が咲き乱れた庭園の姿は無く、
屋敷の中も全てが荒らされ、無残な形と化していた。



ラクスはどこに・・・


ここに居る筈が無い。

それは当然分かっていた事だけれど、
何か手掛かりがあるかも知れない・・・。


そう思い、アスランは庭園を奥へと進んだ。




「この花・・・」


かつて、ラクスが話してくれた事を思い出す。


『このお花は・・・私が初めて歌った劇場ですの。』


花びらの散った白いバラを手に取る・・・。


その時、アスラン目掛けて何かが突進して来た・・・。





「・・・・ハロ!?」


その物体を片手で受け止めたアスランは驚いた。


それは・・・

自分がラクスに贈ったペットロボットのハロ・・・。



『ハロ!!ハロ!!』


どうしてハロがここに・・・



まさか!!



何を思ったのか


アスランはハロを片手に走り出した。













「お久しぶりですわね。アスラン。」



『ホワイトシンフォニー』

そこにラクスは居た。


何事もなかったかの様に微笑みかける彼女・・・。



「一体、何のつもりなんです!?」


銃口を向けても微動だにしない彼女には分かっていたのだろう。

アスランが自分を撃てる筈が無いと・・・。




「アスランが信じて戦うものは何ですか?
 頂いた勲章ですか?
 それとも、お父様の命令ですか?」



「なっ・・・」



ラクスから聞かされた話にも驚く事は多かった。



ラクスが手引きした相手がキラだと言う事・・・。

キラはスピットブレイクを止める為に地球へと降下した事・・・。




は・・・お元気でしたか?」


「・・・あなたの代わりに婚約者として迎えると父が言い出しましたよ。」



「まぁ、良かったではないですか。」


「・・・あなたは・・・何をお考えなんですか!?」




「私は・・・の味方ですから。」



ラクスの言葉の意味が全く分からなかった・・・。



結局、彼女の真意を聞けぬまま、

と会話を交わす事の無いまま・・・



俺は新たに与えられたジャスティスガンダムに乗り、
再び地球へと向かった・・・。











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