アスランがシャトルに乗り込み、窓から基地に目を向けた時、
彼の目に飛び込んできた光景は・・・


を抱き締めるイザークの姿だった。



アスランはすぐに目を逸らし、視界から2人の姿を消した。




がイザークと居る姿を見ていると、
ずっと一緒だった幼馴染が急に遠くに行ってしまったような気分になってしまう・・・。



キラが連合を選んで行ったように・・・


も自分から離れて行く・・・。




そんな子供じみた嫉妬が消化出来ないでいた・・・。







戦場の歌姫


 ACT.7 嘆きの光









「お待たせ・・・。」



アスランから遅れ、シャトルに乗り込んだ。



私が彼の隣に腰掛けると、シャトルはゆっくりと動き始めた。






少しずつ遠くなって行く地上・・・


少しずつ近付く宇宙・・・




アスランがふと開いたカバンを見て動きを止めた・・・。




「アスラン・・・?」




アスランの視線の先にあったのは・・・


授与されたネビュラ勲章と数枚の楽譜・・・




「・・・ニコル・・・の?」


「・・・あぁ、ニコルの両親に届けようと思って・・・。」




「見せて貰ってもいい?」



アスランから差し出された楽譜を手に取る・・・。



「・・・キレイな曲・・・。」



は静かにその旋律をメロディーに乗せ始めた。




シャトルにの歌声が静かに響き渡る・・・。



その心地良いメロディーにアスランは目を細めた・・・。




ふいに目頭が熱くなるのを感じたアスランは窓の外に目を向ける・・・。




その時、シャトルの真横を通過した1機のMS。


一瞬の事だった・・・。


見た事の無い機体・・・


新型だろうか・・・?





、新しい配属先の話はどうなってるんだ?」


丁度歌い終わった時、アスランが私に問い掛ける。




「まだ何にも・・・。
 でも、クルーゼ隊長がね、プラントに戻ったら、まずはザラ議長の所へ行く様にって。」




「父上の所に・・・?」



「うん。どういう事なんだろうね?」



から楽譜を受け取り、再びカバンの中に収める。



次第に見慣れた景色が広がり始めた・・・。



懐かしい故郷までもうすぐ・・・。





自分はこれからどうなるのだろう・・・?


は複雑そうにアスラン越しに窓の外を眺めていた・・・。










 ACT.7 嘆きの光

      end






【あとがき】

 6章に続き、7章もかなり長いお話となってしまいました。
 だいぶ話も詰まってきた感じです。

 5章の段階でかなりイザークが人気だったので、
 今回はちょっと戸惑いつつ書きましたね〜。

 別れちゃったよ・・・。2人。
 でもイザークは最後までカッコ良くしたかったのです♪



 いよいよ8章です〜。
 一体、何章まで続くんだろ・・・




 2005.2.19 梨惟菜




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