!?
 君には出撃許可は出ていない筈だ!!』



「・・・黙ってハッチ開けなさい!!
 破壊してでも出るわよ!?」



オペレーターの通信に、私は強引にハッチを開放させた。




今の私は誰にも止められない・・・。



例え、アスランであっても・・・。



私の決意を揺るがす者は許さない。











戦場の歌姫


 ACT.7 嘆きの光

















広がる雷雲・・・



遥か彼方から現れたその雲から、響く遠雷の音・・・。





轟音の響く島には降り立った。



激しい爆音が小さな島に響き渡る。







目の前に広がるのは、


2人の幼馴染が傷付け合う光景・・・。







痛みを堪え、機体を2機の元へと走らせた。





「アスラン!!もう退いて!!
 勝負はもうついてるわ!!」


互いの機体はボロボロで、どう見ても痛み分け。


これ以上の戦闘なんて無駄だ・・・。




周囲にバスターやデュエルの姿も無く・・・。



ただ無常に、イージスとストライクがぶつかり合っていた。




!?何を・・・
 出撃は認めないと言った筈だ!!』



「この状況で何を言っているの!?
 もう戦闘は止めて!!」




『言っただろう!?俺はここでキラを討つって!!
 止めても無駄だ!!』




私の悲痛の叫びも今のアスランには届かなかった・・・。



一体どうしたら彼を止める事が出来るの・・・?





その時だった・・・



『キラ!!』




前方から聞こえて来た声・・・


MAが1機、こちらに向かって来る・・・。




『トール!!来ちゃダメだ!!』



キラがその戦闘機に向かって叫ぶ。


戦闘機からミサイルがイージスに向かって発射された。


そのミサイルを軽くかわしたイージスは、逆にシールドを戦闘機に向けて放った・・・。




そのシールドは戦闘機のコックピットを直撃する。





『トール!!!!!!』




キラの叫び声が響く・・・。







私は体が硬直してしまったかの様に凍り付き、その場から動けなくなってしまった・・・。


2人を止める為にここへ来た筈なのに・・・。



2人の間にはすでに見えない壁が出来ていた・・・。






もう・・・


誰にも止める事が出来ない・・・。








激しい戦いが続く・・・。



遂に、イージスがストライクの機体を抱え込んだ。


至近距離でビームを放とうとした瞬間、
イージスの装甲が落ちる・・・。



フェイズシフトダウン・・・




コックピットからアスランが飛び出した・・・。




その直後・・・



目の前に広がる閃光・・・




一瞬、何が起こったのか分からなくて・・・



それが爆発だと分かった時には・・・



私の意識はほとんど消えかけていた・・・・。













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