「・・・アスランっ!!」



イージスから降りて来るアスランの姿を確認したは、
アスランに向かって駆け出していた。


その様子をイザークは面白くなさそうな表情で見つめる。




「無事で良かった・・・。」


アスランの前で少し瞳を潤ませるの髪に、
アスランはそっと手を触れた。


「ごめん。心配かけたな・・・。」







戦場の歌姫

 ACT.6 動き出した想い












「・・・広くない・・・?ココ。」 




私達、ザラ隊は今、オーブに属するオノゴロ島に上陸していた。





事のきっかけは昨日に遡る。

オーブ近海でようやく足付きを捕らえたものの、
あまりに領海に近い場所での戦闘だった為にオーブからの警告を受けた。

さすがに無視して戦闘するわけにもいかず、
撤退を余儀なくさせられたが、
足付きには相当のダメージを与えた。


間違いなくオノゴロに入港した筈だ・・・。



しかし、オーブからの回答は違っていた。


『足付きはすでに領海から出た』



そんな情報を信じられる筈も無く、
イザークとディアッカは大激怒。


すぐにでも攻撃を仕掛けるよう、アスランに詰め寄ったが、
中立のオーブに攻撃を仕掛けるなど、外交問題に発展し兼ねない。


結果、カーペンタリアから圧力をかけてもらい、
もし解決しないようであれば潜入する・・・という事でその場は落ち着いた。








そして潜入したオノゴロ・・・。


昨日、近海で大規模な戦闘があったというのに、
街の中は至って穏やか。
平和そのものだった。


正直、目を疑ってしまった・・・。




外の世界ではあんなに激しい戦争が繰り広げられているのに。




戦争とは無縁な世界・・・。


分かってはいたけれど、あまりの華やかな世界に思わず目を細めた。



数年前までは・・・私もこの世界に居るのが当たり前だった・・・。







鮮やかな色彩の服を身に纏った、同年代の少女達を目で追っている自分が居た。




そして、自分の服装に目をやる・・・。


目立たないようにと渡されたモルゲンレーテの作業服だった。



「・・・ダサ・・・。」











「あまり時間が無い。
 二手に分かれて捜索しよう。」



さすがに冷静なアスランはそう指示をした。



「じゃぁ、3:2に分かれるって事か?」


「あぁ・・・。」



ディアッカの問い掛けにアスランはそう返す。



「じゃ、どうする?やっぱ、男を2:2に分けてを・・・」



、行くぞ。」


「・・・は・・・え・・?」


ディアッカがそう言い切る前に、
イザークが私の手を引いて歩き出した。



「おい!イザーク!!」




「・・・ひとまず3時間後に落ち合う。
 それでいいだろう?」




「ちょ・・・イザーク!!」



私やディアッカの言葉にも耳を貸さず、
イザークは私を連れて人込みの中に入って行った。




よりにもよってアスランの目の前で・・・。





いつも以上に強引なイザークに戸惑いながら、
私は彼について歩くのが精一杯だった・・・。










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