「じゃ、アスラン。また後でね。」
は笑顔で俺に手を振り・・・
イザークの元へと駆け寄って行った・・・。
とイザークの間に、不思議な空気を感じる・・・。
あの2人、あんな風に会話していた事があったか・・・?
戦場の歌姫
ACT.6 動き出した想い
達が先に地球へ降下してから
ヴェサリウスは一度、プラントへ戻った。
俺とニコルには数日間の休暇が与えられ
その間、俺達は久しぶりの休暇をプラントで過ごした。
ラクスの家を訪問した・・・。
久しぶりに会った俺達の話題は、とキラの事だった。
2人はどうしているのだろうか・・・?
ラクスは2人の事をとても気に掛けていて・・・。
俺も心配だった。
は・・・大丈夫だろうか・・・?
ジブラルタルからの通信で、3人は無事降下したが、
は熱で寝込んでいると報告があった。
それは心配だったが、命に別状は無いという連絡に心底安堵した。
あの時、俺がもっと彼女に気を配っている事が出来たら・・・
今頃もプラントで休暇を取れていたんじゃないのか?
俺のせいでは地球に落ちてしまったんじゃないのか?
そんな気持ちが交錯して、正直あんまり休めた気がしなかった。
がイザークと笑顔で会話をしている・・・。
これは・・・一体どういう事だ・・・?
俺の居ない間に・・・一体何が・・・?
「気になる・・・って顔してるぜ?」
「・・・ディアッカ・・・」
俺の心でも読んだのかコイツは・・・。
気が付けば俺の横に立ってそんな事を口走る。
「地球に降下してからの、大変だったんだぜ?」
「何か・・・あったのか?」
「イヤ・・・なんつーかなぁ。
精神的に不安定になっちまっててさぁ・・・。」
精神的に・・・?
「その・・・イザークと・・・何か?」
「いや、むしろ、イザークがを救ってるんじゃねぇ?」
話の筋が全く見えない・・・。
一体、何がどうなって今の2人が居るんだ・・・?
「でもイザークも根性あるよなぁ。
普通、婚約断られた相手にまた告白なんて出来ねぇよなぁ?」
「・・・婚約・・・?」
ディアッカの言っている意味がまるで理解出来ていない・・・。
「あれ?知らねぇの?
イザーク、昔に婚約申し込んで断られてるんだってよ。
俺もから聞いたんだけどな。」
「イザークがに婚約を!?」
そんな話、俺は知らない!!
2人はヴェサリウスで会う前から知り合いだったのか!?
「それはいつの話なんだ!?」
「ちょっ・・・アスラン!!落ち着けよ!!」
「あ・・・済まない・・・」
気が付けば俺は、ディアッカの軍服の襟を掴んでいた。
「が軍に志願するちょっと前・・・って言ってたかな?」
2年前・・・?
「降下する時にイザークが庇って降下したって話、聞いた?」
「・・・あぁ、から・・・。」
「その後熱出したの事、ずっと看病してたんだよ、アイツ。
ま、まだ未練あるんだな・・・ってバレバレ。
まぁ、まだ恋人って関係じゃないみたいだけどな・・・。」
何が何だか・・・
さっぱり分からない・・・。
とにかく今の状況を理解しようと必死だったが、
頭が追い付かない・・・。
普段、怒鳴り付けるような口調で話し掛けるイザークが
にはしなくなっていて・・・
もイザークとまともに話している姿なんて見せなかったのに
今はごく自然に会話を交わしている・・・。
少なくとも
2人の間では互いの存在が変わりつつある・・・
そういう事なのか・・・?
小さい頃からずっと一緒だったはずの幼馴染・・・
なのに今は遠くに行ってしまった気がして。
何だか寂しく感じた・・・。