私が彼以外の人を愛するようになったとしても、
世界はたいして変わらなくて・・・。



それは当然の事なんだけど・・・。



私にも・・・

アスラン以外の人を、アスラン以上に愛せる日が来るのだろうか・・・?









戦場の歌姫

 ACT.5 愛する事、愛される事









、この書類、間違ってたぞ。」



「嘘!ごめん。すぐ直す!!」



「俺が直しておいた。後は提出するだけだ。」




「さっすがはイザーク♪ありがと〜。」





そんな私とイザークのやりとりを、ディアッカは黙って見つめていた。






イザークが部屋を出たのと同時に、ディアッカが口を開く。



「何だよ・・・もしかして・・・もしかしたりする?」



「・・・何それ・・・。」




相変わらず、遠慮のない奴。



「だからさぁ・・・お前とイザークって・・・」



「・・・友達以上、恋人未満!!これでいい?」



「・・・そう言われたらそれ以上は聞けないだろ・・・。」





ジブラルタル基地に入って、足付きとの戦闘が何度かあったが、
バルトフェルド隊長率いるレセップスの攻撃の甲斐も無く、
バルトフェルド隊は壊滅した。



隊長の指示により、先に退艦した私達は後にバルトフェルド隊長の戦死を知った。




足付きは紅海に抜けたという情報を得た私達はジブラルタルに留まり、
今後の指示を待つ事になった。





その間にも事務処理は山ほどあって・・・。


体調も完全に回復した私も忙しく動き回っていた。






「アスランの事・・・まだ好きよ。
 でも・・・イザークに惹かれてる・・・。
 それも、嘘じゃないから・・・。」





「まぁ・・・見てりゃ分かるけどよぉ・・・。」




「やっぱ・・・いい加減な女だった思う?」




「いや・・・嫌いじゃないぜ?そういう女。」



「ディアッカにそう言われても嬉しくないけど・・・ね。」







緩んだ軍服の襟を締め直す。

書類を提出に行くのにだらしない格好で行ったらどうなる事やら・・・。





「そう言えば・・・」



「・・・何?」



出て行こうとする私にディアッカが口を開く。


さすがにその内容を聞かずに出て行くのは気が引けるから、とりあえず聞き返してみた。






「アスランとニコル、プラント戻って何日か休暇貰ったみたいだぜ?
 いいよなぁ・・・。」



「・・・そう。」




「近いうちに降下するってよ。」




「・・・え?」




扉に向けていたままだった顔をディアッカの方に向けた。





「お前、今アスランと顔合わせて大丈夫かよ?
 泣きそうな顔、してるぜ?」










何を今更、動揺しているんだろう・・・?



アスランは私が誰と付き合ったって、
誰と一緒に居たって気にする人じゃない・・・。




きっと、笑顔で私にこう言うわ・・・。




『良かったな、。』




・・・って。







でも、まだ私はそんな覚悟出来てない・・・。



そんなに強い女じゃない・・・。
















 ACT.5 愛する事、愛される事

      end






【あとがき】


 イザーク夢?

 遂にイザークにフラッと来てしまいました・・・。


 アスランのライバルにはイザーク。
 
 ありがちな展開だとは思うんですけどねぇ・・・。


 ようやくアスランが降下して来ますよ〜。

 さぁ、どうなる事やら!?


 では、6章でお会いしましょう♪





 2005.2.3 梨惟菜






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