こんな風に誰かに自分の想いを打ち明けた相手は2人目だった。





ミゲル・・・



こんな情けない私を見たら、
あなたは何て言うかな・・・?



いつもみたいに笑って言ってくれる?



『大丈夫だ』

・・・って。












戦場の歌姫

 ACT.5 愛する事、愛される事














ってさぁ、器用そうで不器用なんだな。
 ・・・ってか、器用貧乏ってヤツ?」



「煩いわね。放っといてよ。」






まさに、ディアッカの言う通りだった。







まぁ、恋愛には向いてないんじゃないかなぁ・・・とは思っていたけど。
身近な人間を好きになってしまうほど厄介なものは無いのかもしれない・・・。









「あのさ、一つ聞いてもいいか?」



「何?」



「イザークの事、どう思う?」



「・・・どう・・・って・・・。」


急にそんな事言われても・・・




「お前さ、まさか気付いてない訳じゃないだろ?」





本当、何でディアッカはこんなに鋭いんだろう…。


まるでミゲルみたいで、素直になれてしまう自分が居た・・・。






「自惚れてる訳じゃないけど・・・
 まだ、私の事・・・そういう風に想ってくれてるのかな・・・。」



「まだ・・・って?」



「2年前に婚約申し込まれた事があるの・・・。」









そう、どうしてもアスランへの想いが捨てられない私はイザークを傷付けた。



イザークの事は嫌いじゃない・・・。


ただ、アスランへの想いが強過ぎただけ・・・。





「お前、もっと肩の力抜けば?」


「え・・・?」




「何かさぁ、重く考え過ぎじゃねぇ?」




そんな事言われても・・・

重く考えてるつもりなんてないし・・・




の目って、アスランしか見えてないワケ?」



ディアッカの質問に返す言葉が無い・・・。



「イザークだってさ、性格に若干問題アリだけど、
 十分いい男だと思うぜ?」



「分かってる・・・。だから困ってるんじゃない・・・。」



私の言葉に、ディアッカの目が見開いた。



「地球に降下してからのイザーク、優し過ぎるのよ・・・。
 今の私には十分過ぎるくらいに・・・。」













砂漠の夜は意外と寒かった。



日中、あれだけの高気温だったのが嘘みたいだった。






「・・・満月・・・かぁ。」




そう言えば、こうやって月を見上げるのは初めてだった。

地球に降下したのが初めてなのだから当然なんだけど・・・。





レセップスのデッキに一人立つ私は、輝く月を仰ぎながら、
肩から落ちかけていた毛布を掛け直した。





急に・・・



泣きたくなった・・・







アスラン・・・


あなたはこの月をどこで見ているの・・・?













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