『来たな!ストライク!!』
ようやく動き出した足付きを確認したと同時に、
足付きから出撃したストライクとメビウス・・・。
それにいち早く反応したのはイザークだった。
周りに目もくれず、一目散にストライクへと機体を走らせた。
「ちょっ!!イザーク!!」
慌ててデュエルを追おうとしたが、メビウス部隊に阻まれてしまった・・・。
「ちっ・・・」
とにかく、この部隊を倒さなくては・・・。
敵に照準を合わせ、ビームを放つ・・・。
敵に攻撃を仕掛けながら、遠目に見えるデュエルの援護に入る機会を伺っていた・・・。
戦場の歌姫
ACT.4 心の在り処
ビーッ!ビーッ!
MSの警報が鳴り響く・・・。
「・・・限界点・・・!?」
いつの間にか、大気圏外ギリギリのラインまで迫っていた・・・。
「くっ・・・重力に・・・」
機体が思うように動かない・・・
このままじゃ・・・私自身も危険だ・・・
『!!何してるんだ!!戻れ!!』
アスランからの通信が雑音混じりに聞こえる・・・。
それは十分分かってるんだけど・・・
『アスラン!!今から行っても間に合わん!!君は戻れ!!』
クルーゼ隊長からの通信が聞こえる・・・。
『、君はもう間に合わんだろう・・・
近くにディアッカが居る。
何とかディアッカ、イザークと共に降下を試みてくれ!!』
無茶な注文だった・・・。
イザークやディアッカの機体とは違って、単体降下可能なスペックではない・・・。
でも、戻れる訳でもない。
生きるか死ぬか・・・
こんな瀬戸際に立たされたのは初めてだった・・・。
「・・・分かりました・・・。」
『!!』
そう答える事しか出来なかった私・・・。
キーボードを取り出し、OSの書き換えを開始する。
少しでも大気圏突入時の被害を軽減させなければ・・・
少しずつ上昇していくMS内の温度・・・。
額が少しずつ汗ばんでいくのが分かった。
熱い・・・
頭が朦朧として、今にも意識を失ってしまいそうだった・・・。
「アスラン・・・」
無意識の内に口に出していた彼の名前・・・
生きて・・・無事に地球に降下して・・・
もう一度あなたに会いたいから・・・
「私はこんな所で死ぬ訳には行かないのよ・・・!!」
少しずつ遠のいて行く意識の中で・・・
私の瞳に最後に映ったのは・・・
デュエルだった・・・。
ACT.4 心の在り処
end
【あとがき】
いやぁ・・・
4章、長かったです・・・(汗)
ちっともヒロインとアスラン絡んで来ないし。
いつになったら絡んで来るんだろう・・・。
アスランはバタバタと移動が多いので、なかなか難しいです・・・。
しかもヒロイン、地球に降ろしちゃったし・・・アハハ。
次から地球編です。
イザークとディアッカに頑張ってもらう予定なので、
しばらくこの2人で我慢してくださいませ☆
2005.1.24 梨惟菜