『足付きよりMS発進を確認!!
パイロットは格納庫にて待機せよ!!』
艦内放送にベッドに横になっていた私は飛び起き、素早く軍服の上着を羽織った。
上着のボタンを留めながら格納庫へ急ぐ・・・。
足付きから発進したMS・・・。
どう考えてもキラしかいない・・・。
戦場の歌姫
ACT.4 心の在り処
『隊長!!行かせて下さい!!』
キラの声で入った通信。
−ラクス嬢を引き渡すから、ナスカ級は停止し、イージスのパイロットが単独で来い−
『隊長!!』
『・・・分かった、許可しよう。』
『ありがとうございます!!』
ハッチが開放され、アスランが宇宙に飛び出した。
『、君は戻って構わんよ。
アスランが単独で来いとの指示だ・・・。』
「・・・分かりました。」
コックピットを開放した私は溜息混じりにMSを後にした。
そこへ、パイロットスーツに身を包んだクルーゼ隊長が格納庫へ入って来た・・・。
「隊長・・・まさか・・・」
出撃する・・・つもりなの・・・?
「この機を逃す訳にはいかんのだよ。
向こうのパイロットもまだ若いようだな・・・。」
それだけ告げ、隊長は愛機、シグーに乗り込んだ・・・。
再び軍服に着替えた私は格納庫の入り口で彼の帰りを待つ・・・。
彼がラクスを連れて戻って来る・・・。
それを出迎えてあげたいと思ったから。
隊長のシグーが勢い良く飛び出した・・・。
また・・・戦いが始まるのだろうか・・・。
キラは敵だけど・・・
でも、大事な親友だから・・・。
どうか神様・・・
アスランとキラが傷付け合わないように・・・
そして、
また笑って3人で過ごせる日が来るように・・・。
私にはもう、願う事しか出来ない・・・。