戦艦を出ると・・・




そこは一面に広がる銀河・・・




真っ暗な世界・・・





何もかもがその暗闇に吸い込まれ、





全てが無に帰ってしまいそう・・・。







初めて出撃した時、私はそう感じた・・・。

















戦場の歌姫
 ACT.3 消えゆく光に別れを・・・




















「アスランから通信が入った。
事態は思ったよりも深刻らしい。
すぐに出撃したまえ!!私もすぐに出る!!」






クルーゼ隊長からの命令が出たのは、
ミゲルと別れて15分後の事だった。






『事態は思ったよりも深刻』





その言葉に私は眉間にしわを寄せる・・・。




アスランからの通信。


つまり、アスランは無事であると言う事。



それだけで私はホッと胸を撫で下ろした。












「ミゲル・アイマン、出るぜ!!」




オロールに続いてミゲルが出撃する。





、周辺空域及び、ヴェサリウスの護衛は君に任せたぞ。」




「了解しました。
!出撃します!!」







隊長の言葉を背に、私も出撃する。


追って隊長のジンもヴェサリウスから飛び出した。











・・・とは言われたものの、

予想に反して、ヘリオポリス周辺の空域は穏やかだった。



本当にザフトからの攻撃を受けているのか・・・?


そう疑ってしまうくらいに静かだった・・・。





何が深刻なのだろうか?




一人待機を言い渡された私にとって、この待機時間ほど長く感じられるものは無かったかもしれない・・・。































ピーッ!!






突如、MSのアラートが鳴った。





はっとしてモニターに目を向けると、
目の前には見慣れないMSが3機・・・。



あれが例の新型・・・?





『こちら、ニコル・アマルフィです!
、応答して下さい!!』



ニコルからの通信だった・・・。





「こちら
ニコル、作戦は成功したのね?お疲れ様。
そっちの2機は誰?」







そう・・・






出撃したのは5人・・・



目標の新型MSも5機・・・。




まだ2機足りない・・・。







『イザークとディアッカです。』





ニコルから告げられた名前に、彼が居ない・・・。




アスラン・・・は?






「あ・・・アスランとラスティ・・・は?」





『アスランは無事です!今、ミゲルとオロールと合流している頃だと思います。』





その言葉に安殿溜息をつく自分が居た・・・。




『ただ、ラスティが作戦中に撃たれたそうで・・・
残りの1機に地球軍の人が乗っているそうです。
その機体の破壊作戦に向かっています・・・。』




ニコルの言葉に・・・

目の前が真っ暗になった。





ラスティが・・・撃たれた・・・?







『一度帰艦します!』



「あ・・・えぇ。私はアスラン達が帰艦するまで周辺の警備を。
少しでも休んで頂戴。」




『はい。分かりました。』





3機が私の横を通過し、ヴェサリウスへと戻って行く・・・。



その姿をモニターで確認しながら、再びヘリオポリスへと目を向けた・・・。





ラスティ・・・




















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