信じて疑わなかった・・・。
この戦争が終われば、私達は普通の学生みたいに学校に通って・・・
休日には皆で騒いだり、遊びに行ったり・・・
そんな日常が待っているんだと・・・。
その為に、ここで戦っているんだと・・・。
戦場の歌姫
ACT.3 消えゆく光に別れを・・・
「では、ミゲル、オロール、の3名の任務を説明する。」
ブリーフィングルームに残った私達は、クルーゼ隊長から任務についての説明を受ける。
「これから3名は各自MSにて待機。
アスラン達からの連絡が入ったら即出撃。
もしくは、作戦開始から3時間が経過して尚、連絡が入らなかった場合にも出撃してもらう。」
「はっ。」
「内部への侵入は、ミゲル、オロールの2名。
は周辺にて待機。
脱出後の追撃の可能性も十分にある。
その援護をして貰いたい。」
「了解しました…。」
「・・・」
作戦室を出てすぐ、ミゲルに声を掛けられた。
アスラン達が潜入して間もなく1時間半が経過する。
私達は格納庫に向かい、MSに乗って連絡を待つ。
アスランやイザーク達は新人とは思えない程優秀だ。
伊達に赤を着ている訳ではない・・・。
それは十分承知しているけど。
今回の作戦は今までとは勝手が違う。
中立国に潜入・・・。
それだけでも十分大事だ。
それなりの危険も伴っている。
「心配なんだろ?アスランの事が。」
勿論、ミゲルの言っている事は図星だった。
「大丈夫よ。アスランも、他の4人も優秀だもの。」
こうやってミゲルにさえ強がってしまう自分は心底可愛くないと思う。
それでも、ミゲルはきちんと理解してくれていて、
私の頭を軽くポンと叩いて言った。
「・・・死ぬなよ?」
「ミゲルこそ。
私より危険な場所に行くんだからね?」
「当たり前だろ?」
会話をしながら移動していたら、いつの間にか格納庫に到着していた。
自分の愛機を見上げ、片手に持ったヘルメットに力がこもる・・・。
「ずっと疑問だったんだよなぁ・・・。」
「・・・何が?」
「のMSの色。
女の子なのに地味な色だな〜って思ってたんだけどさ・・・。」
「地味で悪かったわね・・・。」
「アスランの髪の色・・・だろ?」
自分好みにカスタマイズされたジン。
私の機体の色は・・・ネイビー。
そう・・・
アスランの柔らかい髪の毛と同じ色・・・。
「最後の抵抗・・・かな?」
「人生、何が起こるかわかんないぜ?」
ミゲルが楽観的に答えてくれた事が、純粋に嬉しかった・・・。
「じゃ・・・また後で・・・な。」
私達はいつものように笑顔で別れ、互いの機体へと乗り込んだ・・・。