もう疲れたの・・・。





決して自分を見てくれない人を愛するのも・・・




愛していない人から愛されるのも・・・。






あなたと私・・・




2人だけの世界があったら良かったのに・・・













戦場の歌姫

 ACT.2 開かれし扉













あぁ・・・



頭が痛い・・・。






「アスラン!!勝負しろっ!!」






新人が入って数週間・・・。




ようやく新しい環境に慣れつつあった私だったけど、
ここ数日、新たな問題が浮上していて、私は頭痛に悩まされていた。





「2人とも、いい加減にしてよ・・・。
暇を見つけては勝負?
少しは静かに出来ないの?」





そう・・・




どうやら、アカデミーで上位を争っていたらしいアスランとイザーク。


2人はいわゆるライバル関係にあるらしくて・・・




休憩時間の度に何かの勝負をしていた・・・。





向上心があるのはいい事だと思うんだけどね・・・。



半端じゃないのよ・・・。









何より驚いたのが、イザークの本性だった。





初めて会った1年半前の彼は、本当に紳士的な人で・・・



私に対する口調、態度・・・


全てが優しく感じられた・・・。






まさか・・・あれは作った姿だったなんて・・・。




ちょっとショックかも・・・。





あれだけの綺麗な容姿なのに・・・。



実際のイザークは、感情の起伏が激しくてプライドが高く、
それ故に、優秀なアスランに対するライバル心は凄まじいものがあった・・・。







彼の告白を断って良かった・・・



イザークには悪いけど、本来の彼と付き合うのはかなり難儀な事だと心から感じていた・・・。






そんなイザークを上手く扱い、且つ勝負にはちゃんと応じているアスランが、
ひどく大人に見えてしまった・・・。









何だかんだ言って、アスランはこの1年半でだいぶ成長したみたい・・・。






イザークも・・・。





未だ、あの頃の自分から抜け出せていないのは・・・



私だけなのかもしれない・・・。









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