「2年振り・・・くらいか?」




「正確には1年半ね。」





場所をラウンジに移した私とアスラン・・・。


昔話に花を咲かせる気分ではないのだけれど、
こうして同僚として再会してしまった以上、
避ける訳にもいかない・・・。







戦場の歌姫


 ACT.2 開かれし扉


「アスランは・・・どうして軍に・・・?
やっぱり・・・」



「あぁ・・・。
自分に出来る事・・・やろうと思って・・・。」




「そっか・・・。」



カップを持つアスランの手に自然と力が入っているのに気付き、
私は思わず顔を歪めた・・・。



「血のバレンタイン」の悲劇の後・・・
犠牲者の合同葬儀が行われると聞いて、私もユニウスセブンへ行った。



そこでアスランの姿も見つけたけれど・・・



声も掛けず、私は足早に軍に戻った・・・。










彼の隣は・・・私の居場所じゃ・・・ない。









「・・・あまりに突然だったから驚いた・・・。
俺に一言言ってくれたって良かったのに・・・。」




本当、アスランの鈍感さには感謝してる・・・。




婚約発表の直後の志願・・・



ひょっとしたら勘付かせてしまうんじゃないかとも心配したんだけど。



アスランの鈍感さは良く知っている・・・。



だから、迷わずに軍に志願したのだから・・・。






「自分の力・・・軍で活かせるんじゃないかな・・・って思って。
まさか赤着れるなんて思ってなかったわ・・・。」






「歌は・・・」




「ラクスが・・・居るでしょ・・・。
彼女の歌だけで十分よ・・・。」







・・・そう・・・





2番目なんて要らないの・・・。






少なくとも私には必要ない・・・。






求めるのは1番という絶対な存在・・・。







あなたの1番になれないのなら、どこに居たって同じ。








なのに・・・




どうして?




どうしてあなたまで戦場に身を投じるの・・・?





どうしてまた・・・





私の心をかき乱すの・・・?















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