「何だ、お前ら、知り合い?」





ミゲルの言葉に我に返った・・・。




「あ・・・うん、まぁ・・・。」








濃紺の髪・・・



優しい面影・・・




2年前のあの頃と何の変わりも無い・・・






アスラン・・・




どうしてあなたが・・・




此処にいるの・・・?













戦場の歌姫

 ACT.2 開かれし扉















「じゃぁ、自己紹介の必要もないと思うが、一応礼儀だからな。」





「・・・はい。」





ミゲルの言葉に2人の少年は堅苦しく返事した。






「初めまして。ニコル・アマルフィです。
先輩、宜しくお願い致します。」




アスランの隣にいた少年が先に名乗った。



緑色のくせ毛がかったその少年は、私より少し幼く見えた・・・。





でいいわ、ニコル。初めまして。
ひょっとして・・・年下?」





「はい、アスランより1歳下です。」



「じゃぁ私とも1つ差ね。宜しく。」





私が笑顔で手を差し出したら、彼も嬉しそうに握手に応じた。










「アスラン・ザラです。宜しくお願いします。」





「・・・こちらこそ。宜しく。」





同じ様に、アスランとも握手を交わす・・・。




アスランの手に触れるなんて何年振りだろう・・・










アスランから離れて2年・・・


一見、変わっていないように見えるが、彼は随分と変わったらしい。


表情が少し大人びた雰囲気で・・・


基本的に笑顔が無い・・・。



無表情という訳ではないけれど・・・




「血のバレンタイン」



彼を・・・変えてしまった大きな原因なのだろう・・・。










「じゃ、俺はニコルに案内してやるからさ、はアスランを頼むよ。」


「ちょっとミゲル!!指導係はあなたの仕事なんでしょ!?
何で私が・・・っ!!」






「いいじゃん。もう施設の案内も粗方済んだしさ、知り合いなら積もる話もあるだろ?」





そう言ってミゲルはニコルを連れて射撃場を出て行ってしまった・・・。









「久しぶり、。」



「・・・そうね。」





2人きりの空間に、懐かしい空気が流れる・・・。






大好きだった・・・アスランとの時間・・・。




今は、こんなにも苦痛を感じるものだなんて・・・







それはきっと・・・




私とあなたの想いが交わらないから・・・










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