バンッ  バンッ ・・・





射撃場に響く銃声・・・



射撃訓練の時間は好き・・・




何もかもを忘れて集中できるから・・・











全ての神経を研ぎ澄ませて・・・



目の前の的に集中する。




他の事も、同じ様に集中できたら・・・




どんなに楽だろうか・・・












戦場の歌姫

 ACT.2 開かれし扉












「やってるな、
調子はどうだ?」







訓練を始めて何分が経ったのだろうか・・・



時間の感覚さえ麻痺していた私の元に、ミゲルが現れた。






「あれ?ミゲル・・・。
新人の指導じゃなかったの??」







そう・・・




今日から新しく入る新人の指導を任されたミゲル。



こんな所に来ている場合じゃないと思ったんだけど・・・








「あぁ、施設案内中だよ。
ここだって毎日って程来なきゃいけない場所だろ?」



「それもそうね・・・。」




私は銃を台の上に置き、軽く両腕を伸ばした。




「随分派手にやってたみたいじゃないか。」





「・・・スッキリするから・・・ね。
で?その新人はどうしたの?」




「あぁ、忘れてた。おい!こっちだ!!
入って来いよ!!」





ミゲルの呼び声と同時に、ドアが開く・・・。




「それがさぁ、5人の内、2人しか来てないんだぜ?
残りは明日だってよ・・・。
まとめて来いって話だよなぁ〜?」




相変わらず面倒な事が嫌いなミゲル・・・。



ついつい愚痴をこぼしてしまうのもよくある話だった・・・。






「彼女は
年は同じくらいだと思うけど、ここでは大先輩だ。
の成績は優秀だぜ?見習うように。」



ミゲルが新人に説明している様子を聞きながら苦笑する。




優秀だって・・・笑っちゃう・・・。






「ミゲルの方が要領いいと思うけ・・・ど・・・!?」





振り返った瞬間・・・




私は思わず息を呑んだ・・・






「な・・・んで・・・ここに・・・」








私の目に飛び込んで来たのは・・・




赤い軍服を身に纏った幼馴染・・・










TOP | NEXT