放っておけない・・・



最初はその程度の気持ちだった・・・




でも・・・



何故か気になる・・・



君の存在・・・。




















恋のメロディ

  前編






















「ニコル、大丈夫?」



「・・・何が・・・ですか?」




「・・・の事。」



「あぁ、こればかりは仕方ないですよ。」




の事、よっぽど好きだったんだろうなぁ・・・。


その作り笑いが痛々しいのよ・・・。





「じゃぁさ、いっその事、余った者同士でくっついちゃう?」


「な・・・何言ってるんですかっ!!」



「・・・ごめん。冗談よ。」


ダメだ・・・


こういう冗談が通じる相手じゃなかった・・・。




どうも調子狂うのよね・・・。

























大好きな・・・。


一緒に居ると安心できて・・・。




こんな子が恋人だったら・・・ってずっと思ってた。



でも、が好きなのはディアッカで・・・



ディアッカが好きなのもで・・・。





二人は晴れて恋人同士。




遂に取り残されてしまった僕と




大人っぽくて美人の


他のカップルに気を使って、気が付けば一緒に居る事が多くなって・・・。



でも、あまりにもと正反対すぎて・・・


どうも落ち着かない・・・。




















「ニコルの様子・・・どう?」



は時々、私にニコルの様子を伺う。



なりの配慮だと思う。



でも、は人を傷付ける事が出来ない子だから・・・



ニコルの告白を断ってディアッカと付き合ってるなんてすごい進歩だと思う。



恋が女を変えるって本当なんだなぁ・・・。




「大丈夫。思ってるほど沈んでないと思うよ?」


「そっか。」




とりあえず嘘でもを安心させてあげないとね。


ラブラブムードを台無しにしちゃったら、ディアッカに怒られるの私なんだもん。




「ごめんね。何か気を使わせちゃって。」


「あぁ、大丈夫よ。気にしないで。それにね、ここだけの話・・・。」



「・・・何?」



私はにそっと耳打ちをした。



「私ね、ニコルの婚約者候補なの。」




「えぇ!?」




「ニコルはまだ知らないんだけど…ね。」




















数日前の実家からの通信で、両親から婚約の話を聞かされた。



相手はニコル・アマルフィ。


まさか、同じ艦に乗る同僚が相手だなんて驚いたけど・・・。




先方は私の気持ちを確認してからこの話をニコルにしたいと希望されて・・・。



とりあえず返事は保留にして貰ってる。


・・・って言うか、今言ったら絶対にショックで倒れそう・・・。

ただでさえ傷心なのに・・・。


















ニコルのピアノ、聴いてみたいな・・・。」




突然、が僕に言った。



休憩時間で、ラウンジには僕との二人。



大方、他のメンバーはどちらかの部屋で二人きりの時間でも楽しんでいるのかな・・・。




「今度の休暇でプラントに戻ったら小さなコンサートを開こうと思うんです。」



「今聴きたい。」


「・・・今、ですか?」



そんな事を言われても、ピアノなんか戦艦の中にある訳ないし・・・。


困った事を言うなぁ・・・



「・・・ディスクとか持ってないの?」


「・・・あぁ、ありますよ。」



「ホントは生演奏がいいんだけど、それで我慢する。」



がニッコリ笑って僕にそう言った。



「部屋にあるので、夕食の時でいいですか?」



「うん。ありがとう♪」





は本当にいい人・・・。



色々と気を使ってくれてるみたいで・・・。


自分も辛い筈なのに・・・。




僕はてっきり、とディアッカは両想いだと思ってた・・・。











は・・・」


「何?」



「ディアッカの事は、もういいんですか?」


「あぁ、アイツとは別にそんな仲じゃないから。」



は笑って答えた。



「確かに、気は合ったんだけどね、アイツ軽いでしょ?今は一筋みたいだけど・・・。

 一番気の合う男友達。それ以上でもそれ以下でもないの。」


端から見たらお似合いのカップルだったけど・・・。


意外な事実に僕は少し驚いた。






「私ね、婚約者居るのよ。・・・って言ってもまだ正式に決まった訳じゃないんだけど。」


「・・・え!?」


















にもちゃんと相手が居たなんて・・・。



僕だけ一人、取り残された気分だった・・・。




「ニコル、ちょっといいか?」



一人考え込む僕の前に現れたのはディアッカだった・・・。


こうして面と向かって声を掛けられるのは久しぶりかもしれない・・・。



「・・・ディアッカ、どうかしたんですか?」



「・・・いや、一度ちゃんと話、したくてさ・・・。」


「あぁ、の事・・・ですか?」



・・・やっぱり、気まずいのかな・・・。



もきっと、気にしてるんだろうな・・・。



「僕は大丈夫ですよ。気にしないで下さい。も色々と気を使ってくれてますし・・・。」


「・・・そっか。」



「でも、僕だけ一人って言うのはちょっと寂しいですね。」


「・・・?」


「あれ?聞いてません?に婚約者が居るって話・・・。」
















【あとがき】



ニコル編です。


余った者同士をくっつけるお話・・・。

なかなか難しいですね。

きっと無理やりな展開になってしまうのでは・・・(汗)


温かい目で見守ってやってくださいませ☆




2005.1.5  梨惟菜











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