出会ってはいけなかった・・・。
惹かれ合ってはいけなかった・・・。
けれど・・・
もう、後戻りは出来ない・・・。
私達は出会ってしまったから・・・。
7Days Love
<<2>>
「!こっちこっち!!」
プラントを訪れて2日目・・・。
イザークに誘われ、は最高評議会へと足を運んだ。
「おはよう、ディアッカ。」
「ここまで迷わなかった?」
「大丈夫よ。入り口までエレカで送ってもらったし。」
入り口でコートを脱いだは、それを腕に掛け、ディアッカに笑顔を返した。
「折角来て貰って悪いんだけどさ、今日も俺がお相手。仕事が山積みで席外せないんだよ。」
「仕方無いよ。まだ停戦後間もないんだから。」
「カナーバ女史には話を通してあるから・・・。」
「ありがとう。」
「初めまして。・です。」
「議長代理のアイリーン・カナーバだ。宜しく。」
カナーバに促され、はソファへと腰掛ける。
議長室は青白い光に包まれ、不思議な空間を醸し出していた。
「戦後処理で忙しい所をすみません。
どうしてもご挨拶をしてくるようにと代表に言われましたので・・・。」
「大丈夫だ。嬢も先の大戦では独立部隊の一員として尽力なされたとか・・・。」
「いえ、私の力など・・・。」
「今回はどうしてプラントに・・・?」
「あ・・・はい。
先の大戦でイザーク・ジュール様とお会いする機会がありまして・・・。
それで今回は彼に招待を頂きました。」
「あぁ・・・エザリア女史のご子息か・・・。」
「今回の大戦では・・・たくさんの命が失われました。」
「そうだな・・・。」
「私の家族も皆死にました。」
「そう・・・だったか。」
「だから・・・戦いが終わった今、考えて行きたいと思っています。
自分が出来る事、これからすべき事を・・・。」
もう、こんな悲しみを繰り返したくないから・・・。
「プラントへは・・・1週間の滞在だったな。」
「え・・・?はい。」
「その間、自由に議会に出入り出来る様に下へ伝えておこう。
ここでも学べる事はあるだろうからな・・・。」
「あ・・・ありがとうございます。」
「・・・一人で戻れるか?」
「もう、馬鹿にしないでよ。下でエレカ拾うから大丈夫。」
「イザークがまた夜連絡するからって伝えてくれってさ。」
「うん。ありがとう・・・。」
ディアッカに見送られ、下へと向かうエレベーターへ乗り込んだ。
外に見えるプラントの景色を眺めながら、エレベーターはゆっくりと降りて行く。
「・・・あれ・・・?」
1階で降りたは、通り掛ったラウンジで休憩するイザークを観掛けた。
ここからでは後姿しか分からない。
でも、銀髪の評議員なんてそう多くはないだろう・・・。
「イザーク。」
そう声を掛け、彼の前に回ると、驚く事に彼は眠っていた。
疲れてるのかな・・・?
無理も無い。
ディアッカも言っていたが、イザークの仕事量は半端じゃない。
一日中、評議会に入り浸りで、下手すると食事すら忘れて仕事に没頭してしまうらしい。
規則正しい寝息を立てるイザークに、は笑みを零す。
「このままだと冷えちゃうよね・・・。」
「ん・・・。」
しまった・・・ついうたた寝をしてしまったか・・・。
ゆっくりとイザークは頭を上げる。
ずっと同じ体勢で眠っていたせいか、首が少し痛かった。
「・・・これは・・・。」
イザークの肩に掛けられた赤色のコート。
それからは女物の甘い香水の香りが漂う。
書類で散らかっていた筈のテーブルは綺麗に整理されていた。
その書類を手に取ってイザークは目を見開く。
既に処理されている書類・・・。
しかも正確に綺麗に・・・。
「あ・・・イザーク。起きたのね。」
ラウンジに入って来たのはだった。
両手には2人分のマグカップ。
「はい。冷えてると思ったから。」
湯気の立ったカップからはスープの匂いが漂う。
「あぁ・・・済まない。」
カップを受け取ったイザークはそれを喉へ通した。
程良い温度のスープに体が温まる。
「この書類は・・・が?」
「あ・・・うん。勝手にごめんなさい。間違ってた?」
「いや。完璧だ。助かった。」
「そう。良かった。」
スープの湯気との香水の香りでイザークの頬が次第に火照る。
「お陰で今日の仕事は粗方片付いたな。ホテルまで送ろう。ついでに良かったらまた夕食でもどうだ?」
「イザークが迷惑でなければ。」
「俺から誘っているんだ。迷惑な筈がないだろう?」
イザークの笑顔にの頬も緩む。
イザークにエスコートされ、2人は評議会を後にした・・・。
【あとがき】
2日目のエピソードでしたぁw
カナーバさんのキャラがイマイチうまく表現出来ない…。
こんなんで大丈夫かなぁ…。
…というか…イザークの仕事を正確にこなしちゃうヒロインって何者だよ…。
まぁ、一応、コーディネイターなんでその辺は深く追求しないで下さいね♪
では、3話も読んでいただけると嬉しいです。
感想いただけるときっと泣いちゃいます(嘘)
2005.3.19 梨惟菜