「アスラン君、シン君・・・どうでもいいから、退いてくれないかなぁ」

彼女の切実な言葉は二人には届いていないようだ。





















勝者と敗者























「なんであんたがここにいるんですか!?は俺の機体を整備しに来たんですけど!?」

「なに言ってるんだ、シン。は俺の機体を整備しにに来たんだ。」

(はぁ・・・ルナちゃんのザクから出られないよ・・・)





ザクのコックピットの中で小さく溜息をついた。

アスランとシンがコックピットの外で睨み合っている為、外に出られない。







「アスラン君ー!シン君ー!」



しびれを切らしたが大きな声で、二人の名前を呼ぶ。








「なに、からも言ってよ!俺の機体を先に整備しに来たんだって!!」


「まだ言ってるのか、シン。、疲れただろう?コーヒーでも飲んでから俺の機体を見てほしいんだ。」






が出てこれるように二人が横に避ける。

一生懸命出ようと手を外に出す。

その手をアスランがそっと取る。





「あ、ありがとう。」




アスランを見上げて笑うに微笑みかえした。




「大丈夫、?」



シンも負けじとの手を取り、自分のほうへ引き寄せる。



「わっわっ!シン君?」


「お疲れ様、。次、俺の機体見てほしいな・・・。」





耳元に口を寄せ囁くように言う。


それを面白くなさそうに見ているアスラン。






「そうだね、シン君のインパルスを先に見ようかな。」




にこっと笑い、シンを見上げる。


当然慌てるアスラン。



シンは勝ち誇ったように、鼻で笑う。







「アスラン君のところには、シン君が終わったら行くね。」





申し訳なさそうに笑うに、アスランはただ頷くしかなかった。






「残念でしたね、アスランさん。は俺を選んだんだ。」


「は・・・はっ!選んだと言っても、ただ先に整備してもらうだけだろ?勝ったわけじゃないな。」






ふっと余裕そうに笑う。







「フン・・・いつまで余裕でいられるですかね?行こう!!!」





の手を引いてインパルスまで走り去った。















「まぁいいさ。あとでたっぷりと見せ付けてやる。」







黒く微笑み、格納庫をあとにした。
























「あ、ここも損傷してるね・・・えっとここは・・・」


「なぁ、はさ、その・・・す、好きな人とかいる?」


「えっと・・・モジュールが・・・あ、OS書き換えたほうが早いかなぁ・・・」







シンのセリフを見事に無視して、作業に集中している。






ー・・・」


「よしっ!出来た!!完璧!出来たよ、シン君!あとは自分でチェックしてね!」







そう言うと、さっさとコックピットから出る。





「え!ちょっ、!?」


「じゃあ私、アスラン君の機体、見なくちゃいけないから。」





そう言って、走り去る。

インパルスの傍ではシンが突っ立ていた。


















「はぁ・・・はぁ・・・アスラン君?いるんでしょ?」




セイバーの傍まで来ると、きょろきょろとアスランの姿を捜す。



「遅い。」






後ろから抱きすくめられ、びくっと身体を震わす。


だがアスランだとわかると、すぐに笑顔になった。





「アスラン君!ごめんね、遅くなちゃって。」


「いいよ、が悪いわけじゃない。」








そっと腕を解く。





「じゃあ、整備始めるね。」


「まって、。」






の腕を掴み、自分のほうへ向かせる。



「なあに、アスラン君?」

「なんで、今日、シンのほうに先に行ったんだ?」



真剣な表情で問いかける。






「あー・・・その、シン君の先に終わらせたら・・・その・・・アスラン君と長くいられるかなぁって思って・・・」




顔を赤くしてそう言った。


の言葉にアスランも頬を染める。






「そうか・・・でも、ちょっと悔しかったんだぞ?」

「それは、ごめんなさっ!」





を抱き寄せ、その唇に自分のそれを重ねた。







長い長いキス。





アスランは目を少し開けると、ある一点を見た。

















「あんたっ!!なにしてるんだよーーー!!!!」








シンがセイバーの影から出てきて叫んだ。



「?」




はきょとんと、シンを見た。



「あぁシン、君か・・・。」




得意気に笑いながら、を更に強く抱き寄せる。




「なっ!なにしてんだよ!!にさっき!キ、キ、キスしてたっ!!」

「別に恋人どうしがキスしても問題なんかないと思うが?」

「アスラン君、場所を考えるべきだよ。」





恥かしそうに顔をアスランの胸に埋めながら小さく呟いた。





「残念だな、シン。が恋人として選んだのは俺だ。」





アスランの言葉にシンは停止した。





「アスラン君?・・・え、シン君どうしたの?」





顔を上げて、硬直しているシンを見る。








「俺たちがあまりにもラブラブだから嫉妬してるだけだよ。・・・」



「んっ・・・アス・・」





顎を片手で掴み、そっと口付けた。



段々深くなっていくキス。




シンはもはや泣きそうだ。




「んっ・・・あ、アスラン君!シン君の前だよ!?」




顔を真っ赤にして必死に酸素を吸い込もうとする。






「見せ付けてやればいいさ。が俺のものってねv」







アスランの視線に気付き、シンは顔を真っ赤にして格納庫から走り去った。











その夜、シンはレイに泣きながらアスランの悪口を言っていたことを、後にレイが証言している。










































*あとがき*
梨惟菜様・・・本当に申し訳ありませんっ!!
長らくお待たせしたあげく、こんな話で・・・。
土下座してお詫びしたいくらいです(涙)
シンVSアスランで書いてみました。お気に召さなければ書き直しますので!!
こんな燈世ですが今後ともよろしくお願いしたします。
相互本当にありがとうございます!





【燈世様へ…】

素敵な夢をありがとうございました!

ほのぼのとした優しい雰囲気がとてもツボです!

大切に保管させて頂きますね♪

こちらこそこれからもよろしくお願い致します♪













TOP