「きゃっ!」

「どうしました、

「……お塩を入れすぎてしまいました…」

「あらあら。これでは、食べられませんわね…」

「すみません、お姉様…。――あら? 何か焦げ臭くありません?」

「まあ。あらあら、大変。わたくしも失敗してしまったみたいですわ。黒焦げになってしまいましたわ」

 キッチンの前に立ちのは、2人のピンクのお姫様。
お姫様だけあり、料理などしたことはなく……四苦八苦している2人を見るのは、2人の王子様。

「……似てるよね?」

「ああ。料理に失敗しても、大して慌てていないあたりとかな…」





類似点





、大丈夫?」

「え? あ、キラ!」

 は振り返り、背後にキラがいることに気づくと、慌てて鍋を隠す。
だが、先ほどまで彼女が料理を作っていたことは、明らかで。
キラは、それを覗き込んだ。

「スープに塩、入れすぎちゃったの?」

「あっ……はい…」

 キラに失敗したことを気づかれ、は頬を赤く染め俯く。
そんな彼女に苦笑すると、キラは声をかける。

「味、まだみてないんでしょ? 僕に味見させてよ」

「だ、ダメです! 本当に、沢山入れてしまって…。絶対に、美味しくありませんもの。それに、身体によくないですわ」

「大丈夫。少しだけにするし……何より、が作ったものなら、絶対に美味しいよ」

 そう言うキラを、は見上げる。
すると、そこには満面の笑顔のキラ。

「――僕にとってはね」

 そんなキラの笑顔に負け、は赤き顔で彼にスープを差し出した。

 そのスープは、確かに塩っ辛くて。
それでも、キラはそれを飲み干す。

「確かに塩が多いけど……の愛情がいっぱいで、美味しいよ」



「ラクス、大丈夫ですか?」

「あら、アスラン」

 アスランが声をかけると、ラクスは振り返り、花のように微笑む。
それに、アスランも微笑を返した。

「お料理、焦がしてしまいましたわ」

「これは…」

 ラクスが差し出したフライパンをみれば、そこにはハンバーグになるはずだった黒焦げの肉の塊が。
それに、アスランは頬を引きつらす。
これは、決して食べられたものではない、と。

「――アスラン、食べてみてくださいませ」

「は?」

 無理だと思った瞬間に、ラクスは笑顔でアスランにそれを差し出す。
思わず、アスランは聞き返して。
それに、やはりラクスは笑顔で答える。

「少し黒いですが、大丈夫ですわ」

 何を根拠に!?と、問いかけたくても、花の笑顔の前ではその疑問は言葉にすることは出来なくて。
アスランは、差し出されたそれにフォークを伸ばすほかは無い。

「どうですか?」

 口に広がるのは炭の味で。
だが、目の前には笑顔のピンクの妖精。
ならば、答えは1つしかないではないか。

「美味しいと思います……とても…」



「はぁ…」

「アスラン、大丈夫? はい、水」

「助かる、キラ…」

 差し出されたグラスの水を、アスランは一気に飲み干す。
その様子を、キラは苦笑して見つめた。

「なんかさ、やっぱり違うよね、2人」

「だな。姉妹だといっても…」

 恥かしそうに料理を隠した妹のに、食べてみてと料理を差し出す姉のラクス。
似ているようで、やはり全然違っていて。

「だからこそ、それぞれに、俺達は惹かれるんだろ?」

 アスランの問いかけに、キラは料理を前にコロコロと楽しそうに微笑んでいる2人に目をやった。
確かに、胸を締め付けるような愛しさを感じるのは、にだけで。
それは、アスランにもいえることなのだろう。

「だね。でもさ……は絶対に渡さないからね」

 それでも、と、牽制するキラ。
そんな親友に、アスランは苦笑するしかない。

「お前なぁ…。――お前こそ、ラクスは渡さないからな?」

 その言葉に、今度はキラが苦笑する。



「お姉様、見て下さい」

「あらあら、仲良しですわね」

 が指差した先には、キラとアスランが共に笑みを浮かべている。
それを目にし、ラクスはふわりと微笑む。

「キラとアスラン様、よく似てらっしゃいますね」

「本当に…」

 それぞれの姫の瞳に映るのは、それぞれの王子だけ。
それに気づかぬまま、2人は共に頬を緩めた。











ピンクの天使完結記念・フリー配布夢として書いてみましたっ!
フリー夢なので、単品でもわかるように、あまり背景はなく、
ヒロインとラクスが姉妹であることもこっそりと書いてみて。
どうでしょうか?
よろしければ、もらってやってください。

文章上で、右クリック。
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神威様、素敵な夢を頂戴してしまいました〜♪
どうもありがとうございます♪
『ピンクの天使』シリーズ、完結おめでとうございます!。
運命編、とても楽しみにしています♪
これからも宜しくお願いいたしますね♪





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