両手に花って、こういう状態を言うのだろうか・・・。



両隣に美少年。


毎日、2人に挟まれて食事を摂る。



周囲の視線がすごく痛い。

でも、その視線を気にしてるのは私だけ・・・。








2人の王子様









「キラにアスラン!!また来てたのか!?
 お前らの配属はエターナルだろ!?」



「「じゃあ、をエターナル配属にしてくれ(よ)」」



キレイにハモった2人。

そして、同時に睨み合う。




「冗談言うな。クサナギだって人手不足なんだ。
 ホラ、食事終わったらささっと戻れよ!」









「・・・も大変だな。毎日あれじゃ、落ち着いて食事も出来ないだろ?」



「だから仕事中が一番落ち着く。」




オーブ出身のコーディネイターの私は、カガリのストライクルージュの専属整備士。



元々、カガリとは幼馴染で・・・

私はモルゲンレーテの作業員だった。



オーブ解放戦で初めて戦場に出て、
そこで出会ったのがキラとアスラン。



2人とも美少年で・・・

さすがはコーディネイターと言うべきか・・・




その2人に何故か気に入られてしまったらしい。





2人の事は嫌いじゃない。



こうも積極的にアプローチされるのは初めての事だったから、
戸惑いが隠せないのが正直な気持ち。






おっとりとしてて優しいキラと、

頼りがいのある大人なアスラン・・・。




2人共、違った魅力があって・・・


どっちも選べないんだってば・・・!!









「あぁ、!こっちこっち!!」


「お疲れ様です。フラガさん。」



「悪いな。急に整備頼んじまって。」


「いえ。困った時はお互い様ですから。
 エターナルじゃなかったら喜んでお手伝いに伺いますよ♪」




「その様子だと、随分と言い寄られてるみたいだなぁ?」



「もう、毎日毎日・・・。落ち着いて食事も出来ませんよ。」






私にとってフラガさんはお兄さん的存在。


オーブでストライクの整備に関わった事がきっかけで仲良くなった。



色々と気を遣ってくれるし、キラとアスランに挟まれて困る私の相談役。





「私なんかのどこがいいんでしょうね?」


「いや、普通に可愛いと思うけど?」


「そりゃ、コーディネイターですもん。顔なんて整形と同じでしょ。」


「いや・・・そうじゃなくってさぁ。
 しっかりしてるし、何事にも一生懸命だし・・・。
 あの2人以外にもの事気にしてる奴はいるんだぜ?」



「・・・はぁ・・・」













「あれ?おっかしいなぁ・・・。」



どこで間違っちゃったんだろ・・・。



元々、コンピューター関連にはそこまで強くない私。

時々、画面と睨み合いながら頭を抱える事も多い。



「どうしたんだ?」



「ア・・・アスラン!?」



何でアークエンジェルに・・・



「クサナギに行ったら居なかったからね。
 そしたらここしかないだろ?」


「ジャスティスのメンテ、終わったの?」



「あぁ。だからこうしてキラに見つからない内にに会いに来てるんだろ?」





ホント・・・個人で見るとカッコいいんだけどなぁ・・・。



「で?またフリーズしてるんだ?」


「あぁ・・・うん。」


「貸して。」



アスランに席を譲ると、彼は見事な指さばきで処理を進める。


その真剣な横顔にドキッとしてしまった。




「ホラ。終わったぞ。」


「あ・・・ありがと。さすがだねぇ。」



「この手のジャンルはキラの方が得意なんだけどな。」



それでも十分すごいです。




「お礼にジュースでもおごるよ。」


「あぁ、ありがとう。」








「アスランって何でも出来るのに謙虚なんだね。」


「そうかな?」






キラにも共通して言える事なんだけどね・・・。





「これでが俺の恋人になってくれたら完璧なんだけどね。」



「なっ・・・!!」



「それとも、キラの方がは好み?」


「そ・・・そういう訳じゃ・・・。」



不意打ちだ・・・


そんな笑顔で迫られて動揺しない女の子がいたらお目にかかってみたいものだわ!!



妙に潤んだ深緑の瞳に吸い込まれそう・・・。




「俺は、が好き。は?
 俺とキラ、どっちが好き?」



「そ・・・それは・・・」




何て答えたらいいのよ・・・









「アスランっ!!」



返事に戸惑う私にとって、キラの登場は救いだった・・・。


いや・・・

場の空気が悪化するだけなのは承知の上なんだけど・・・。


それでも、アスランに見つめられたままの体勢は心臓に悪い。





「・・・キラ・・・。」


「僕が仕事してる間に抜け駆け!?反則だよっ!!」



「俺はちゃんと仕事終わらせてから来たんだから反則も何もないだろ?」



「・・・っ・・・」




また始まった・・・。




「いい加減、引いてくれないか?俺は真剣なんだよ。」


「僕だって本気だ!!が好き!!
 だからアスランには譲れない!!」






もう・・・


私の気持ちは無視ですか・・・?




このままじゃ埒があかないじゃないの・・・。





「ねぇ・・・。」


「「ん?」」



「この場で私が気持ちをハッキリさせたら、2人は納得してくれる?」



その言葉に、2人は目を見開いて・・・



「「聞かせてくれるの(か)!?」」




すごい剣幕で言い寄る・・・。







「あのさ・・・私、2人共恋愛の対象じゃないのよね。」



「「えぇ!?」」





「もっと年上が好みなのよ。
 フラガさんとか・・・ノイマンさんとか?」



「「な・・・っ!!」」


年齢差は広げられないだろ・・・


そう思って口にした適当な言葉。



いや、確かにあのお2人は本当に魅力的だし?


大人のオーラ全開でいいじゃないの♪





これで少しは大人しくなってくれるでしょ・・・。







「そうか・・・大人の魅力か・・・。
 2人には敵わないけど、俺だったらキラよりは大人だよな?」



「・・・へ・・・?」



「あぁっ!!アスランずるい!!」




はい・・・?









「僕だってあと何年かしたらアスランよりいい男になってるよ!!」



「何年先の話だ?大事なのは今だと思うけど?」








はぁ・・・



私の苦労はまだ終わりそうにありません・・・。






それからというもの・・・


キラとアスランはフラガさんやノイマンさんに付き纏って、
大人の魅力について勉強してたそうな・・・。











【あとがき】

キラVSアスランというリクを頂きました。
結果的に何故かギャグに仕上がってたんですけど・・・。
すみませんです・・・。


キラ落ちにしたらいいのか・・・
アスラン落ちにしたらいいのか・・・

分からなかったのでどっちつかず・・・
じゃぁ、ギャグにするしかないじゃないかぁ!(byアスラン)
みたいなカンジで・・・。


何かキラが異様に子供っぽくなってしまって、本当に反省です。
アスランと居るキラって子供っぽいイメージが強いんですよ。
CDの影響かしら・・・。
(当時13歳だっつの!!)



言い訳はこの辺にして・・・。
リク下さったあおい様、ありがとうございました。
満足いただけましたでしょうか?
また感想聞かせてくだされば幸いです。




2005.2.19 梨惟菜





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