想いの翼
「もういいっ!アスランなんか知らないっ!!」
「なっ?!・・・あ、おい!待てよ!っ!!」
今部屋を飛び出して行ったのは、俺の恋人。
些細な事が原因となり、ケンカになってしまった。
周囲には『おしどりカップル』と言われる程仲が良かったはずなんだが・・・
「はぁ・・・」
「貴方が溜息なんて珍しいですわね。どうかなさいましたの?」
エターナルの休憩室で休んでいたら、ラクスに声を掛けられた。
「あぁ、ラクス・・・それが、とケンカをしてしまって・・・」
「まぁ!それはまた珍しいことですわねぇ。お2人ともとても仲がよろしいのに・・・」
本当に珍しそうに、ラクスが言った。
「原因はなんですの?」
「大した事ではないんですが、俺がを怒らせてしまったようで・・・」
俺は、ラクスに事情を話した。
ケンカの原因、それは、の戦い方だった。
俺たちがケンカをしたのは、戦闘が終わり、が俺の部屋に来た時だった。
かなり無茶な戦い方をするを、俺が注意したのが始まりだった。
『あんな無茶な戦い方をしていたら、討ってくれと言っているようなものじゃないか!お前を庇うこっちの苦労も考えろ!!』
『そんなこと頼んでないじゃない!』
『何・・・?!』
『守ってなんかくれなくたっていいわ!自分の命くらい、自分で守れる!!』
『なら勝手にしろ!』
『っ・・・!もういいっ!アスランなんか知らないっ!!』
そんな事でケンカになって・・・
「それは貴方が悪いですわね、アスラン」
事情を聞き、さらりと言うラクス。
「え・・・?」
なぜ自分が悪いのかがわからず、ラクスに答えを求めた。
「さんが、なぜ『守ってなんかくれなくていい』と言ったか、わかりませんか?」
「それは・・・」
答えることが出来ず、言いよどんでしまった。
「貴方に危険が及ぶからですわ。」
「え?!」
その言葉に驚き、ラクスを見る。
「彼女を守ることで、貴方に対する危険が増してしまう・・・さんはそれが嫌だったのではないでしょうか?」
「ラクス・・・」
確かにそうかもしれない・・・もし、が俺を守ろうとして危険になったら、どう思う・・・?
「さんの想いがわかりましたか?早く謝りに行ってあげてくださいな」
にこりと微笑むラクス。
本当に彼女には敵わないな・・・
「ありがとうございます、ラクス」
俺は、の部屋へと向かった。
アスランが悪いわけじゃない。
私が弱いから・・・
『誰かが守ってくれる』
そう思って、甘えていただけかもしれない。
だけど『お前を庇うこっちの苦労も考えろ』なんて、言われたくなかったな・・・
まるで、自分の弱さを見せ付けられてるようだったから・・・
コンコンっ!1人で悩んでいると、誰かが尋ねてきた。
「はい、どなたですか?」
「、俺だ・・・入るぞ?」
返ってきた声は、愛しい人のもの・・・
「入って、アスラン・・・」
そう言うと、彼が部屋に入ってきた。
「・・・どうかしたの?」
「その・・・ごめん、お前の想いに気付いてやれなくて・・・」
申し訳なさそうに俯くアスラン。
「どうして?貴方は悪くないよ?私が弱いから・・・ずっと甘えてたからっ・・・」
堪え切れず、涙が溢れてきた。
「・・・っ!」
突然感じたぬくもり。
彼の腕のぬくもり・・・
「悪かったっ・・・俺が悪かったんだ・・・もう、泣かないでくれ・・・」
「アスラン・・・っ!」
本当は、怖かったの・・・私を守って、いつか貴方がいなくなってしまうんじゃないかって・・・
ずっと、怖かったの・・・
「お願い・・・死なないで・・・アスラン・・・っ」
「あぁ、約束する・・・絶対にお前をおいて逝かないから・・・」
囁かれる、約束の言葉・・・
その言葉が、胸に響く。
「絶対・・・絶対だからね・・・?」
「あぁ、絶対だ・・・愛してる、・・・」
「私も約束する・・・絶対に貴方をおいて逝かないから・・・愛してる、アスラン・・・」
見つめ合い、そっと触れ合う唇。
想いはいつか、翼になって空へと舞い上がり、誓いに変わる・・・
私たちは、そう信じてる・・・
あとがき
梨惟菜様への、お誕生日&相互リンク記念の夢でございます。
『普段は仲のいい恋人同士だけど、珍しくケンカ、最後は甘く』との
リクでしたが・・・なんか、シリアスになっちゃってるし・・・(泣)
こんなのでよかったら、どうぞお持ち帰り下さいね、梨惟菜様☆
旭菜 花梨様♪
素敵な夢をありがとうございました♪
シリアスも大好きです(^−^)
いいですね♪
普段仲のいいカップルの喧嘩♪
でも最後には甘〜い♪
これからも末永く宜しくお願い致します〜♪
梨惟菜