「何か僕達、マズイ所に遭遇しちゃってませんか?」



「あぁ・・・俺もそう思う。」





俺とニコルの視線の先にはとディアッカ。


しかも、大胆にもキスをしているらしい・・・。




ディアッカの片方の手がの後頭部に回されていて・・・


ここから2人の顔は見えなかったが、妙に生々しくて・・・。


気付けば、俺もニコルも真っ赤だった。








勘違いから始まる恋






「ねぇアスラン、私の機体のOS、見て貰えないかな?」


「・・・悪い。今忙しいんだ。他の人に頼めるか?」



「あ・・・うん。分かった。」





アスランが変だ。

2、3日くらい前から私を避けている様に見える。


他の人とは普通に会話してるのに、私の事だけ明らかに避けてる・・・。




仕方ない・・・他の人に頼むか・・・。


そこへ丁度通り掛ったディアッカに声を掛けた。



「ディアッカ!今暇してない?」



「・・・何?また何かあんの?」



「OS見て欲しいんだけど、頼めない?」


「あのなぁ、俺はお前の便利屋じゃないっての。」


「そんな事分かってるわよぉ。頼りにしてますって。」










気が付いたらに片想いしていた俺は、
勝手に決められたラクスとの婚約を父に頼み込んで解消し、
彼女を密かに想い続けていた。


何かあると俺を頼ってくれるに期待していたんだと思う。

ひょっとしたら両想いじゃないか・・・って。





結局、俺が1人で勘違いして舞い上がっていただけか・・・。



とディアッカがそういう関係だったなんて・・・。






「でね、ディアッカが私のパソコンをフリーズさせちゃったの。
 酷いと思わない?」



夕食の時間、食堂に明るい話し声が響き渡る。


目の前には楽しそうにニコルに話し掛けるの笑顔。


大抵、会話の中心にはいつもが居た。


今日の話題提供者もで、その話の内容から、OSの調整を頼んだ相手がディアッカだと判明した。



最初からディアッカに頼めばいいのに・・・。








話の途中で、アスランと視線がぶつかった。


いつもなら笑顔で返してくれる筈なのに、アスランは瞬時に視線を逸らしてしまった。



それがとても悲しくて・・・苦しくて・・・。




「・・・ゴメン。もうお腹一杯になっちゃった。先戻るね。」



私はトレイを片付けると足早に食堂を立ち去った。









「今の、間違いなくアスランのせいだぞ。」



の突然の変化に呆然としていたら、ディアッカが口を開いた。


「え?俺・・・なのか?」


「そりゃお前、好きな男に避けられりゃ、女は傷付くだろ。」


「ちょっ・・・ちょっと待て!何の話だ?」



ちょっと待ってくれ・・・


誰が誰を好きだって・・・?



「まさか・・・の気持ち、気付いてないワケ?
 バレバレじゃねぇか・・・。」



でも・・・と付き合ってるのは・・・



「ディアッカ、と付き合ってるんだろ?」


「はぁ!?冗談言うなよ!そんな筈ねぇじゃん。
 大体、何でそんな話になるワケ?」





俺とニコルは目を見合わせた。

それと同時にニコルが口を開く。



「・・・ディアッカ、2、3日前にデッキでとその・・・
 キス、してませんでした?」



頬を赤らめながらディアッカに問い掛ける。


「な!ディアッカ!!貴様、堂々と何をやっている!?」


それを聞いたイザークも大激怒だった。



「2、3日前・・・デッキ・・・キス・・・。
 あぁ、あの事か。」


「貴様・・・っ!!」


「違うって!!それ勘違い!!
 俺はにピアスを着けてやってただけだ!!」



「「「ピアス!?」」」



「外れちまって困ってた所を通り掛っただけ。
 鏡無いと着けれないって言うからさぁ・・・。」



じゃぁ・・・アレは俺達の勘違い・・・?



「すごく怪しい雰囲気だったから勘違いしちゃいましたよ。
 ね?アスラン。
 ・・・アスラン?」


「え?あ、あぁ。」




「ホラ、さっさと行って誤解解いて来いよ。」


「え・・・?」



「ついでに言うと、お前の気持ちもバレバレ。」



「・・・っ!!」


「クルーゼ隊トップのお前が取り乱す顔なんて絡みでしか見られないっての♪」












「はぁ・・・。」



今の気分はどん底だった。


どうしてアスランに避けられているのか見当もつかないし・・・。


ひょっとして、嫌われるような事を無意識の内にしていたのかも。



アスランに嫌われちゃったら立ち直れないよぉ・・・。






ビーッ




突然の訪問者。


人と会う気分じゃないんだけどな・・・

ディアッカだったら愚痴ってやろうと思って、
相手も確認せずに扉を開けた。


「・・・ア・・・アスラン!?」



一番有り得ないと思っていた相手が立っていた。


「ごめん!!!」



開口一番に謝罪の言葉を述べたアスランは深く頭を下げた。



とディアッカが付き合ってるって勘違いしてて・・・
 どうしても目を合わせられなかったんだ。」


「私とディアッカが・・・?有り得ないよそんなの。」


「あぁ、さっきディアッカに聞いた。
 ピアス着けて貰ってる所、キスしてる様に見えたんだ。」



「それで・・・避けてたの?」




黙って頷くアスランの顔は真っ赤で・・・


それってもしかしてヤキモチ・・・?



すごく聞きたい・・・。




「俺・・・の事が好き・・・なんだ。」


「・・・ホント・・・?」



「あぁ、誰にも渡したくない。」




そう言ってアスランは私を抱き締めた。



「私も・・・」


私よりもずっと広いアスランの背中に腕を回し、
ギュッと腕に力を入れた。



「私もアスランが好き。」




アスランは更に力を入れて私を抱き寄せる。



アスランの胸に顔を埋めながら考える。




・・・あれだけアピールしてたのに・・・



気付くどころか勘違いされてたなんて・・・。



私のアピールが足りなかったのかなぁ・・・?



ホント、鈍い人。






そこが好きなんだけどね・・・。














【あとがき】


アスランの勘違い夢でした。

ディアッカとイザーク、どっちと絡めようか迷ったんですが・・・
(ニコルは考えなかったの。一緒に赤面して貰う役はニコルしか居ないもの♪)


イザークはピアスなんて着けてくれないだろうと思ったのでディアッカに決定。


私の書くディアッカってどうして『頼れるお兄さん』系なんだろ…。



損な役回りが多いです。



ディアッカ・・・
君がヒーローの話も考えてるからね・・・。




莉深ハト様、初のリクありがとうございました。
こんな感じに仕上がりましたがいかがでしたでしょう?


また感想聞かせてくださいね♪






2005.2.9 梨惟菜






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