「アスランさん!相談があるんです!!」




「…どうした?シン…。」





「ここではちょっと…」


気まずそうに辺りを見回すシン…。


人前ではとても言えない相談とは一体何なのだろうか…?



「じゃあ…俺の部屋に行くか…?」


「あ…はい。ご迷惑でなければ…。」

















ホントの気持ち


























「ねぇ…アスラン見なかった??」


「アスランさんなら…さっきシンと深刻そうな顔で部屋に入ってくの見たわよ?」



「シンと…?珍しいね…。」

「だよね〜。」




の質問に答えてくれたルナマリアの手にはタオル。



「あ…もしかしてシャワー室行く所だった?」


「そ。も行く?」


「うん。ちょうど射撃で汗かいちゃった所だし。」




アスランを探していたけれど…こんな汗かいた状態で会う訳にもいかないし…


シンと何か用事があるなら後でもいいか…。



「じゃ、部屋行って着替え取って来るね〜。」





















「ね…シンとアスランさんの噂、知ってる?」


「噂…?」



個々にシャワーを浴びながら、1枚の壁越しにルナマリアが切り出した。


丁度髪を洗っている真っ最中のは、目を瞑ったまま返事をする。





「何かね…あの2人、デキてるって。」


「はぁ!?…いったぁ〜…」


!?」


「シャンプーが目に入ったぁ…」





ルナマリアが急に変な事言うから…



「大丈夫?」


「ん。何とか。…それより…今の話…何?」


「だから…そのまんまよ。」



デキてるって…つまりその…





男の子同士の恋愛…ってヤツですか…?



その手の話が大好きな女の子と苦手な女の子…


どっちかと言われたらルナマリアは前者らしく、私は後者。


ちなみにメイリンも大好きらしく…。


娯楽の少ない戦艦では噂話も色々と飛び交う。




正直、アスランに片想いしてる私にとっては楽しくも何とも無い。


…って言うか…その噂が本当だったら困るし!!





「今頃2人で何してるんだかねぇ…。」


「…はい!?」





















「…で?相談って?」



椅子に腰掛けたアスランと、ベッドに腰掛けるシン。



俺に相談してくるなんて…珍しい…と言うか初めて…か。





「その…の事…なんですけど…。」



「……?」



「好きな人とか彼氏とか居るんですか…?」


「は?」


「アスランさん、同期だから何か知ってるかな…と思って。」




同期も何も…


俺が知りたい位なんだけど…




「つまりシンはの事を…?」


「…はい///」




狙いかよ…。


困った相談だとアスランは無言で頭を抱える。



「俺…女の子と付き合った事とか無いし…告白もした事無いし…。
 アスランさんならの事、色々と知ってると思うし、婚約者だって居るんですよね?」



「あ…あぁ…まぁ…」




困った…


未だ、プラントの連中は俺とラクス…いや、ミーアか…。


とにかく、俺に婚約者が居ると決め込んでしまっている。


俺がに密かに片想いをしているとも知らずに…。





「何でも良いんです!の事とか教えて下さい!」























「困った…」


アスランの部屋に来たものの…何と言って入ったらいいのやら…。



まだシンも中に居るのかな…?


まさか…ルナ達の噂、本当じゃないよ…ね?



折角アスランがフリーになって私にもチャンスが…って思ったのに、相手が男なんて嫌よ?



あぁ…でももしかしたら…


何考えてるのよ私…!!







「…?」



中から声が聞こえる。


シン…まだ居るんだ…。






…悪いとは思うんだけど…


思わず息を潜めて聞き耳を立ててしまった…。






『本当に好きなんです。』



「…!?」



何ですと!?

今の…シン…だよね!?




『俺だって好きだ!!』



「…はい!?」




…! しまった…


思わず本音が…







「「…!?」」



ドアが開かれ、アスランとシンが姿を現す。



「いや…あの…立ち聞きとかじゃなくて…」


頭が混乱しちゃって…パニック状態。



だって…まさか本当に2人がそんな…





「あ…じゃ…邪魔だね!ゴメンっ!!」




焦るも何も…


ホントに私がお邪魔虫じゃない…。


慌ててその場を立ち去ろうとすると、アスランとシンに両腕を掴まれる。



「なっ…何!?」



…今の話…聞いてた!?」



「いや…私、誰にも言わないから!2人がそういう関係だとか…っ」




「「断じて違う!!」」



「いや…ホント…気にしてないから…ね?」



ちょっと…いや、かなりショックではあるけれど…



恋愛の形は人それぞれだし…


ライバルが男の子なら…ある意味諦めも付くし…?





「「俺が好きなのはなんだ!!」」



「…は…?」










「だから、シンにの事を相談されて…」


「なのにアスランさんも好きだから協力出来ないって言うし…。」




え…?


じゃあ今のは…




『本当に(が)好きなんです!』


『俺だって(が)好きだ!』




…って事…?




何て紛らわしい…






…ん…?




アスランも私の事を…!?





「大体、おかしくないですか!?
 アスランさん、婚約者居ますよね!?」


「彼女は違う!婚約なんてとっくに解消済みだ!勝手に周りが盛り上がってるだけなんだよ!」



急に言い争いを始めるアスランとシンに、混乱する…。



その様子は廊下中に筒抜けで…


次第に周囲にクルーが集まり始めた。










「と…とにかく!ここじゃ目立つから!」



が慌てて2人を部屋の中に押し込んだ。















「あの…私の気持ちを無視して言い争いしないで下さい。」



「「ゴメン…」」




こっちは変な噂に惑わされて本気で信じ掛けてたのに…。






「あのね…シン。」


「何?」



シンの方へと体を向けると、シンは急に背筋を伸ばす。


まるで艦長の前に立たされている時みたい。




「シンの気持ちは嬉しいんだけど…ごめんなさい。」


「え…?」


「私ね、クルーゼ隊に居た時からアスランの事が好きだったのね。」



申し訳ない気持ちでシンに告げると、シンは項垂れる様に沈む。



「ごめん…アスランと2人にしてくれるかな…?」



そんな顔で懇願されてしまっては妨害も出来なくて…。



シンは1人、部屋を追い出される。



廊下で様子を伺っていた一行はシンの涙目の睨みに圧倒され、退散する。














「…ビックリした…。」



「いや…それは俺のセリフ…。」



「ホントにシンと…って思っちゃったんだもん。」



「やめてくれ…そんな趣味は無いよ。」



「うん。良かった。」



安堵したはベッドに腰を下ろす。






「アス…ラン…?」




アスランが私の前に跪く形で見上げて来た。




「本当に…俺の事を…?」



「アスランこそ…。」



「あぁ…好きだ。」



アスランの真っ直ぐな告白には頬を赤く染めた。



「私も…アスラン・ザラが大好きです。」




そう告げたはアスランの胸に飛び込んだ。






やっと言えた…ホントの気持ち…。





















【あとがき】

…ギャグ?

すみません。

私、アスシン大好きなんです!!

なので書いちゃいました///

いやぁ…アスランVSシン…って事で。

更に微妙にヒロインVSシンになってる…。

こんなふざけたリク夢にしてしまって許されるのでしょうか…。

愛羅様、申し訳ないです!

書いてて楽しかっただけに反省です!

アスシン嫌いだったら本当にごめんなさいです(汗)








2005.6.2 梨惟菜







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