「君は俺が守る・・・。」




うわ・・・最悪。


痛いシーン、目撃しちゃったなぁ。




好きな人が他の女の子に告白するシーン。


これ程痛い光景って無いと思う。




戦争が終わっても、私の心は曇り空だった。













Heart Break?












、アスランの所に行かなくて良いの?」


「え・・・?あ、うん。別に・・・。」




の気の抜けた返事にキラは首を傾げた。



いつもなら戻って来たアスランを心配して駆け寄って行くのに・・・。

アスランとカガリが話している姿を黙って遠目に見てるだけ。




エターナルは戦争が終わって喜びに満ち溢れているのに、

の表情は曇ったままだった・・・。





「私、ブリッジに行ってるね・・・。」














、アスランと何かありましたの?」



ブリッジから広い宇宙を見つめ、深く溜息をつく


ラクスが入って来た音にも気付かなかった。




「え?何で?」

「キラが・・・の様子がおかしいとおっしゃってましたわ。」


「う〜ん。何かね、失恋しちゃったから、近寄り難くて・・・。」

「どういう事ですの・・・?」



苦笑するを見て、ラクスは眉を寄せた。




「アスランがカガリに告白してる所、見ちゃった。」











『君は俺が守る・・・。』





しっかりと両手でカガリの肩を押さえて、

しっかりとカガリの目を見て言ってた。




その光景が焼き付いて、頭から離れない。


見たく無かったのにな・・・。







、失恋したんだって?」


「・・・どこでそんな話、聞いて来たのよ・・・。」


「キラとラクス嬢が話してたの、立ち聞き。」



顔を歪めるに構わず、ディアッカはの肩に手を回した。




「ちょっと・・・この手は何よ・・・。」


「いや、失恋したなら俺にも望みアリかな〜なんて思って。」


「ディアッカ・・・こんな時に冗談は・・・」


「俺、本気だぜ?」





ディアッカと視線がぶつかり、体が硬直した。



軽い言動も多いけど、ディアッカは嘘はつかない・・・。


目を見ればすぐに判る・・・。



本気で・・・私の事を・・・?












「ディアッカ・・・駄目・・・。」




視線を逸らしたは俯いた。


「何でだよ・・・。アスランの奴、カガリに告白したんだろ?
 だったらもう諦めろよ。俺を選べって。」





ディアッカの手が強引にの顔を上げた。




迷いの無い瞳・・・

拒めない・・・。





頭の中を支配する、アスランとカガリの・・・あのシーン。









の瞳から、涙が零れた。





「・・・っ・・・悪い。」



「違・・・そうじゃないの・・・。」



ディアッカが嫌な訳じゃない・・・。



ただ・・・アスランの顔が浮かんで来て・・・


一緒に居る時よりもアスランの事を考えてしまう・・・。



苦しいよ・・・アスラン。










「ディアッカ、悪い。その手、離してくれないか?
 でないと俺、お前に何するか分からない・・・。」




2人を包む重たい空気に割って入ったのはアスランだった。




「アス・・・ラン・・・?」



アスランの真剣な瞳に、ディアッカは思わず手を離した。


「済まない・・・ちょっと2人きりにして貰えるか?」












「キラから聞いた。」


「え・・・?」


「俺がカガリに告白してる所、見たんだって?」



ズキン・・・


『カガリに告白してる所・・・』



アスランの口から聞きたくなかった言葉・・・。






「あぁ・・・うん。
 アスランがカガリ好きだったなんて・・・気付かなかったよ。」


「・・・違うんだ。」


「何が・・・?」


「だからその告白、誤解なんだよ。」




誤解・・・?

だってあれは・・・紛れも無くカガリに向けて言った言葉。





「アレ、練習だったんだ・・・。」


「へ?練習・・・?」



「出撃する前にに告白するつもりで・・・
 カガリに練習台になって貰ったんだ。
 でも、が見つからなくて・・・。」


「あ・・・ショックでアスランの事、避けてた・・・から。」





私の・・・勘違い・・・?



全身の力が抜けて、バランスを崩してしまったを、アスランがしっかりと抱き止めた。




「俺は・・・が好きだ。
 今更だけど・・・君は俺が守るから・・・。
 だから、ずっと側に居て欲しい。」



「うん。私もアスランが好き。・・・でも・・・」


「でも・・・?」


「練習でも他の女の子にあんなセリフ、言わないで。」



「ごめん。もうにしか言わない。」



少し拗ねて頬を膨らますの唇に、アスランがそっと口付けた。



ホント、あんな場面見ちゃったらショックなんだから・・・。


ただでさえアスランはモテるんだから・・・。















<<おまけ>>

「何だよアレ・・・結局俺が失恋なワケ・・・?」



頑張れディアッカ。









【あとがき】

あの2人の告白&キスシーンを妨害してみました!

書いててスッキリ♪


少しは癒されました?コレ・・・。


公式CPのラブラブ名シーンを邪魔しよう夢です。
私も参加させて頂いている『キラ・アスラン・シンは渡さない!同盟』に参戦すべく書かせて頂きました♪

アスカガシーンは見てて「アイタタ〜」なシーンが多いですよ…。
他にも妨害夢、検討中♪


2005.2.28 梨惟菜





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