君と出逢ったあの季節が、今年もまた訪れる。


花の様に儚い微笑みをくれる君。


何度も何度も・・・愛しいと思った。











年に数回訪れる空港のロビー。



数え切れない人の波。




それでも、俺はすぐに君の姿を見つける。


俺が君を見失う筈が無い。




また少し、髪が伸びた君は更に綺麗になって・・・。



毎日抱き締める事が出来ない自分が悔しい。





「いらっしゃい!!アスラン。」



「久しぶりだね、。」










俺の住むプラントと、の住む地球。



近い様で遠い距離・・・。



お互いに忙しい俺達は、交互に会いに行く。



その間隔はまちまちで・・・




こうして君に会うのは3ヶ月ぶり。





でも、どんなに忙しくても、この季節には必ず俺が会いに行く。



君と出逢った場所を一緒に並んで歩く為に。










春の風の匂いに包まれて、揺れるの長い髪。



春の風の匂いに包まれて、漂うの甘い香り。



2人で居られる時間は短いから・・・


俺は決して、の手を離さない。



触れる事で伝える想い・・・。



、君に届いているかな?






・・・。」



「アス・・・ラン・・・。」




薄紅色の君の唇は、甘い誘惑。


引き寄せられるままに、それを重ね合う。


数え切れないくらいキスはしたけれど・・・


その度に初々しく頬を染める君が愛しくて堪らない。










、話があるんだ。」


「・・・なぁに?」





今日と同じ、満開の桜の下で出逢ったあの日・・・。




それは、大切な2人の記念日。



だから、絶対にこの日に言おうと心に決めていた。




「結婚しよう。」









いつまでたっても縮まらない、地球とプラントの距離。




いつまでたっても縮まらない、俺との距離。



この距離がもどかしくて・・・。



俺は何度も君を泣かせたし、寂しい思いをさせた。



それを今日で終わりにしよう。



これから2人で、未来を築いて行こう・・・。


2人で・・・同じ道を歩こう・・・。








「本当・・・に・・・?」



「もう・・・別々の場所に帰るのは嫌なんだ。
 の未来を・・・俺に預けて貰えませんか?」




「・・・っ・・・はい・・・。」







触れただけで壊れてしまいそうなの身体を


そっと・・・優しく腕の中に収める。





「もう、泣かせたくないからプロポーズしたのに・・・。」


「これは嬉し涙だからいいの・・・。」



「そっか・・・。」








誰かを幸せにしたいと思ったのは初めてだから・・・。



いつまでも一緒に居たいと思うから。




そんな気持ちにさせてくれた君。



最初で最後の恋・・・。





いつまでも、一緒に居よう。


そして、来年も再来年も・・・


何年経っても、毎年ここへ来て、一緒に永遠の愛を誓い合おう。












【あとがき】



今回のお題は、『春の風の匂いに包まれて』でした。


何となくアスランなイメージ?だったので。
気が付けば迷わずアスランで書いてたさ・・・。


春=桜


それ以外思いつきません!!(キッパリ)



何となく抽象的で管理人も気に入った作品です。



・・・というか、このお題、本当に素敵!!


全部で12題あるので、順番に地道に書いていこうと思います♪




ではw





2005.2.19 梨惟菜







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